デザイナーの富永は2023年1月に「フリーランス」で「起業」しました。
私は法人(会社)ではなく、個人事業で始めました。まず必要な開業届の準備・提出について、自分の記録として残しておきます。これから個人事業主となる方は、ほんのちょっとですけど、参考にご覧ください。
開業届とは?
個人事業を始めたことを税務署に届け出る書類で「個人事業の開業・移転・廃業等届出書」です。
事業開始から1ヶ月以内に出します。
副業でお仕事をしている方は出さなくても大丈夫です。未提出でも罰則はありません。
青色申告で確定申告をする場合、必ず提出してください。
ちなみに、会社設立する方は「法人設立届出書」を設立から2ヶ月以内に、その他「源泉所得税関係の届出書」「消費税関係の届出書」と、「青色申告の承認申請書」をはじめ、必要に応じた諸々の書類を出します。かなり大変そうですね。
失業手当を受給する方は要注意
失業手当を受給中の場合、ハローワークへ開業する前日に申告する必要があります。
開業すると失業手当は受給できなくなるので、そこはお気をつけください。
開業届の準備
開業届の書類は、ネットで簡単に準備できます。
私は先達からのおすすめで無料の「freee開業」を利用しました。

ちなみに、freeeには他にも請求書作成「freee請求書」やクラウド会計ソフト「freee会計」など関連サービスがたくさんあります。無料のサービスと有料のサービスがありますので、ご利用前にご確認ください。
「freee開業」で書類作成
「freee開業」の利用は、メールアドレスとパスワードを登録するだけOK。登録したら早速作っていきましょう。

質問に答えていきます。

- 申請者の情報
(申請者の姓名、生年月日、住所、電話番号) - 働く場所
(自宅で働く、お店を開いて働く、事務所を開いて働く、その他/決まっていないのいずれか) - 仕事の概要
(仕事の種類、概要を選択肢から選ぶ)
※種類:フリーランス → 職業欄に記載されます
※概要:デザイナー・クリエイター(右の枠内は自動で出たままにしました)→ 事業の概要欄に記載されます - 事業の屋号と開始日
(屋号は記載なしでも可)
※屋号は漢数字・ひらがな・カタカナ・アルファベット・記号を使用可。商号(会社名)は記号が一部しか使えないので、将来法人化を視野に入れていて、社名を変えたくないなら、記号はやめておきましょう。
※他所様と同じでも大丈夫ですが、なるべく違うものにしましょう。 - 収入(所得)の種類
(事業所得・不動産所得・山林所得のいずれか)
※大体の方は事業所得かと。 - 従業員・家族の給与
(今はない、もしくは誰に給与を支払うか、選択肢から選ぶ) - 確定申告の種類
(青色申告 55万円控除・青色申告 10万円控除・白色申告 いずれかをチェック)
※青色申告 55万円控除がオススメとfreee開業にも書いてますし、先達も激推しでしたので、私は青色申告 55万円控除にしました。
※青色申告承認申請書は事業開始日から2ヶ月以内、もしくは1月1日から3月15日までに提出する必要があります。
作成に必要な質問に全て答えたら、提出準備に進みます。
- 書類の提出先
住所から自動で選出されます。
働く場所で、お店や事務所を開く方は、お店or 事務所の住所欄の下に「住所を納税地にしますか?」の質問で(する・しない)を選択します。
税務署の住所、電話番号、地図まで表示され、持参する方にはとても親切ですね。

- 書類の提出方法を選択
(スマホで電子申請・PCで電子申請・税務署で提出・郵送 いずれかをチェック)
※電子申請にはマイナンバーカードと、カード読み取り対応のスマホ or パソコンのOSに合わせたカードリーダーが必要です。
- 書類を確認
[ 書類を確認する ]ボタンを押すと、pdfページに遷移します。

これまで入力した内容が書類に反映されます。内容を確認して印刷しましょう。
わざわざ書類に書く手間がないのは嬉しいですね。

私の提出書類は2種類でした。
個人事業の開業・移転・廃業等届出書
提出日と個人番号欄にマイナンバーを記入します。
氏名横に押印欄がありますが、押印欄があっても、押印欄への押印は不要です。私は知らずに押しました。
令和3年4月1日以降、押印不要となったそうです。詳しくは国税庁のページで。

所得税の青色申告所得承認申請書
提出日を記入します。
6 その他の参考事項について、私にはどれが良いのかよくわからなかったので、これもまた先達に尋ねました。「そのままでOK」との回答をいただき、信頼にまかせ、変更せず。
- 簿記方式
チェックが1つ自動で入っていた
(複式簿記) - 備付帳簿名
チェックが8つに自動で入っていた。
(現金出納帳、売掛表、買掛表、経費帳、固定資産台帳、現金出納帳、総勘定元帳、仕訳帳)

質問に答えたら必要な書類は自動で作成されます。自分では何が必要かわからないので、全部準備してもらえてありがたいですね!
例えば、給与を支払う方は「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」もできているかと思います。
そして、近々に迫った「インボイス制度」に関係して、「消費税課税事業者選択届出書」について。
原則として、開業年とその翌年は「免税事業者」となりますので、「消費税課税事業者選択届出書」は提出しなくて構いません。そのためか、「freee開業」では表示されません。freeeサイト内に開業の基礎知識として記事がありましたので、こちらのページを参考にご覧ください。
準備は以上です!
開業届の提出
開業日当日、税務署に持参しました。
開業日と提出日は同じでなくて構わないです。開業日から1ヶ月以内に提出しましょう。
持参物
- 書類一式(控えも)
- 本人確認書類(マイナンバーカード)
マイナンバーカードを持っていない場合は次の2点- マイナンバー記載の通知カード or 住民票
- 顔写真付きの本人確認書類(運転免許証など)

窓口で書類をチェックしていただいて、無事受理されました。
書類の控えには左上に税務署受付印が押されます。廃棄せず保管しておいてください。
銀行融資の手続き等で必要になることがあります。

混雑がなかったことから、税務署に入ってわずか10分程度で完了し、呆気ないというか、簡単というか、ほんとに一瞬でした。
婚姻届も同じような感じですが、「おめでとう!」「頑張って!」「パチパチパチパチ(拍手)」とか声かけしてくれる盛り上げ隊みたいなの配置してくれないかしら。いや、リアクション困りますね。これでいいです。はい。